Blackmagic Designは、ライゾマティクスリサーチが、東京ドームシティに誕生した多様なアート・カルチャーを発信していく「Gallery AaMo」のオープニングを飾ったダンスインスタレーション「phosphere」にBlackmagic URSA Mini 4KおよびUltraStudio 4Kを使用したことを発表した。

photo: Albert Muñoz ©Sónar Festival ©Advanced Music

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ライゾマティクスリサーチは株式会社ライゾマティクスの一部門として、メディアアート、データアートといった研究開発要素の強いプロジェクトを中心に扱い、テクノロジーを駆使した作品を数多く発表している。
近年では、リオデジャネイロオリンピック大会閉会式での2020年フラッグハンドオーバーセレモニーの演出を手掛けたことでも有名だ。

Blackmagic Designの発表によると様々なクリエイターとのコラボレーションを実践しているライゾマティクスリサーチは今回、ダンサー・振り付け師として活躍するMIKIKOの率いるダンスカンパニーELEVENPLAYと、アートとエンターティメントを融合させたギャラリー「Gallery AaMo」のオープニングダンス・インスタレーション「phosphere」をコラボレーションワークしたという。「phosphere」は多数のプロジェクターの光を複雑な空間として構築し、ダンサーやオブジェクトがその中に入っていく、ダンス・インスタレーションという新しいジャンルの作品だ。

photo: Nerea Coll ©Sónar Festival ©Advanced Music

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

この「phosphere」では、各ダンサーの手首についたマーカーにより彼らの動きがトラッキングできるとのことで、トラスと床に設置された計24台のプロジェクターから投影された光がダンサーのマーカーに当たり、光の空間を作り出すことができるのだという。その際に画像解析用途として使われたのが、２台のURSA Mini 4KおよびUltraStudio 4Kとのことだ。

システム開発を担当した同社の花井裕也氏は以下のように語っている。

花井氏：「もともと別の案件で、URSA Mini 4Kを導入していたこともあり今回のプロジェクトでも利用できないかと思い使ってみました。こういった画像解析用途では産業用のカメラを使うこともありますが、周辺機器のPCスペックなどが高いものを要求されることが多く、カメラ自体は高価ではなくても結果的にコストがかかってしまうことがあります。その点、URSA Mini 4Kは、通常の撮影用にも使え、周辺機器も高スペックなものが必要ないため、汎用性が高いんです。また、画像解析の機材は多ければ多いほど精度が上がるため、コストをあまりかけずに２台導入できる点も良かったです。」

photo：Shizuo Takahashi

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

プロジェクターから投影した解析用のグレイコードパターンを、2台のURSA Mini 4Kで撮影し、
UltraStudio 4Kでキャプチャー。その画像を解析してプロジェクターの正確な位置を読み取る。画像解析のために、花井氏はUltraStudio 4KのSDKを使って独自のソフトウェア開発を行ったという。こうすることで複雑な光の演出が実現した。

花井氏：「プロジェクターの位置を読み取ることをキャリブレーションと呼んでいますが、一旦キャリブレーションが取れてしまえばカメラを動かす必要もなく、とても楽でした。また、UltraStudio 4KはSDKが自由に使えて、使いやすい点もメリットでした。SDKを使ってURSA Mini 4Kで低感度で撮影した画像を重ねて明るくする、といったことにも利用しました。これによって高感度で撮影するよりも綺麗な画像が得られました」

関連情報リンク

URSA Mini 4K
UltraStudio 4K