BMD製品導入事例:西野カナのミュージックビデオ「Girls」で、URSA Mini Pro 4.6KおよびDaVinci Resolve Studioを使用

Blackmagic Designは同社の製品導入事例として、人気歌手、西野カナの31枚目のニューシングル「Girls」のミュージックビデオにBlackmagic URSA Mini Pro および DaVinci Resolve Studio が使用されたことを発表した。
発表によると、ミュージックビデオの監督および撮影を務めたのは、末吉ノブ氏。グレーディングは株式会社スパイスのDIT兼カラリストである三浦徹氏。

数々の音楽賞を受賞する実力派シンガーソングライターの西野カナの最新シングル「Girls」は、女性に向けた応援ソング。同曲のミュージックビデオでは、東京のオフィス街を歩きながら歌う西野カナや、美しい夕景をバックに歌う西野カナのクロースアップショットなどが含まれる。夕景のシーンでは、レンズフレアも効果的に取り入れ、全体的に柔らかく暖かみのあるルックとなっている。


末吉氏:「私はコントラストが高くてパキッとした感じよりコントラストが低めのしっとりした雰囲気のルックが好みです。Blackmagicのカメラは、私好みの映像が撮れるカメラだと思っていたので今回も使ってみました。URSA Mini Proは、今までのBlackmagicカメラにはなかったNDフィルターが付いていて、使いやすくなりましたね。また、今回はアナモフィックレンズを使いたかったので、PLマウントのカメラが必要だったのですが、マウントが交換できる点も便利でした。」

URSA Mini Proは、PLマウントでバンテージフィルム社のHawk V-Liteアナモフィックレンズを装着して使用されたという。


末吉氏:「ふんわりした感じのルックが欲しかったのでアナモフィックレンズを使いました。ただし、こういったレンズはフォーカスが合ってないように見えてしまう可能性もあります。その点、URSA Mini Proはふんわり撮れつつも、フォーカスを合わせた部分はきれいにシャープに見せてくれるんです。」

末吉氏が目指したルックは、ニュートラルながら、黒を締めすぎないルックで、撮影時は、DITとして参加した三浦氏が作ったLUTが使用されたという。


三浦氏:「URSA Mini Proは主に、夕景をバックにした西野カナのクロースアップショットで使われました。オンセットグレーディングはしていませんが、現場では、私がDaVinci Resolve Studioで作ったハイライトに少し黄色がのったようなクリーミーなトーンのLUTを当てて撮影しました。グレーディングでも基本的にそのトーンを引き継いで仕上げました。ノーマルスピードの部分は非圧縮RAW、60コマのハイスピード撮影の部分のみ3:1の圧縮RAWで撮影しました。もう1台のカメラもRAW収録ができるものだったので、ルックのマッチングもしやすかったです。またResolveのライトボックス表示で、各ショットのサムネールを一画面で確認することにより、全体のバランスを瞬時に判断できたのは、作業時間を長く取れないグレーディングの時は、かなり使えますね。」


三浦氏:「また、今回は弊社のDaVinci Resolveではなく外部のシステムでのグレーディング作業となりましたが、あまりマシンパワーのないシステムでの作業でしたので、レンダーキャッシュの機能があったのが便利でした。」


三浦氏:「グレーディングの際は、フェイストーンを少し明るくするため、Resolveのトラッキングをたくさん使いました。URSA Mini Proは、もう1台のカメラと比べても解像感が非常にあると感じます。そのため、ディテールが出すぎてしまうこともあるくらいなので、クロースアップの部分では、ノイズ除去の機能を使って、スキントーンを滑らかにしています。」


三浦氏:「URSA Mini Proは安価ながら非常に綺麗な画が撮れるカメラなので、その分、レンズに予算を回すことができ、自分の求めていたルックを作ることができました。」

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URSA Mini Pro


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