BMD製品導入事例:中国主要放送局 中国中央電視台のドキュメンタリー「Climate Fightback」、DaVinci Resolve Mini Panelでグレーディング

Blackmagic Design は30日、中国および韓国の主要放送局である中国中央電視台と韓国文化放送により共同制作された、3 つのエピソードから成るドキュメンタリー番組、「Climate Fightback」が、CCTV Pioneer Media & Entertainment Co., Ltd のカラリスト、Luo Chengyuan 氏により、DaVinci Resolve Studio ソフトウェアおよび DaVinci Resolve Mini Panelを使用してグレーディングされたことを発表した。

「Climate Fightback」は、工業化により引き起こされた大規模な気候変動に立ち向かう人々の努力を描いた番組。発表によると、同番組はデジタルフィルムカメラやドローンなど、様々な種類のカメラを使って撮影されており、12ヶ月に及ぶ撮影では、中国の制作チームだけでも50TBという、膨大な量のフッテージが撮影されたという。

様々なフォーマットが混在する膨大な量のフッテージを前に、Luo氏はわずか6日で3つのエピソードすべてのグレーディングを仕上げる必要があったとのことで、各エピソードには700から800のショットが含まれていたという。

Luo氏:
「このプロジェクトでは、編集チームとカラーグレーディングチームの共同作業が必要でした。スケジュールが非常に厳しかったので、できるだけ時間を削る必要がありました。私たちはフッテージのコピーとコンフォーミングにおよそ3日かかると見積もったので、監督はDaVinci Resolveのシーン検出機能に基づいたワークフローを採用することを決めました。これにより、コピーとコンフォーミング、エラーチェックにかかったであろう3日間と、ディスクスペースを節約することができました。」

シーン検出機能の正確性についてLuo氏はこのように語っている。

Luo氏:
「この機能で95%以上のシーンカットを認識できました。エピソード1には合計780のショットがあったのですが、シーン検出をかけた後、885になりました。余分なショットは、フェード・トゥ・ホワイトやディゾルブ・トランジションによるものです。これらは通常はカットポイントのクラスターとして表示され、簡単に見つけられます。私がしなければならなかったのはこれらのカットポイントの削除のみです。1つのエピソードのシーン検出にかかった時間は4分半です。そしてトランジションを検索して余分なカットポイントを消すのに40分かかりました。その結果、745ショットになりましたが、オリジナルが780ショットなので、これはかなり正確な数字です。」

同番組は自然に関するドキュメンタリーなので、監督は正確かつ一貫性のある色の復元をLuo氏に求めたという。

Luo氏:
「Resolveの豊富なツールセットにより、監督の希望するグレーディングをスピーディに実行できました。」

「Resolveのカーブは、色相、トーン、サチュレーションに基づいてイメージ内の特定の領域を調整できます。イメージの他の領域に影響を及ぼすことはないので、とても柔軟に使用できます。例えば、港で魚が殺されているシーンでは、監督は冷たいルックを希望していたのですが、地面に広がった血の海との組み合わせで、血生臭すぎる画になってしまいます。そこで、『色相 vs 彩度』カーブを使用して、赤のサチュレーションを抑えました。赤は、サチュレーションが高くなりすぎる傾向があるのですが、『色相 vs 彩度』カーブは、赤い花や草の中の虫などのシーンでサチュレーションを抑え、イメージを修正するのに非常に便利でした。」

パンダにフォーカスしたシーンでは、プライマリーコレクションの後、野生のパンダの毛皮が黄色っぽくなり、パンダが汚れているように見えたという。
この問題を解消するため、Luo氏は「輝度 vs 彩度」カーブと「色相 vs 彩度」カーブを、Power Windowトラッキングおよびキーフレーム機能と併せて使用し、毛皮のサチュレーションを抑えてパンダを綺麗なルックにした。

Resolveのトラッキング機能に関して、Luo氏はこう語る。

Luo氏:
「Resolveのトラッキングは非常に正確です。多くのパラメーターを調整でき、非常にフレキシブルに使用できます。」

ミッドトーン・ディテールとシャープは、ドキュメンタリーのグレーディングでLuo氏が頻繁に使用する2つのツールである。Luo 氏は語る。

Luo氏:
「フォーカスぼけの問題は、ミッドトーン・ディテールとシャープの値を上げることで軽減できます。このテクニックは、青海高原のシーンの人々のクローズアップショットで、現地の男性の肌のハイライトにも使われています。」

ドキュメンタリー制作では、制作チームはコントロール不可能な照明条件に遭遇することがある。この場合、カラリストは低照明条件のショットを扱わなければならない。

Luo氏:
「単に明度とコントラストを上げるだけでは、ノイズが目立ってしまうので、Resolve Studioの時間的/空間的ノイズ除去を使用して、ノイズを軽減しました。」

Luo氏:
「この番組はすべて、DaVinci Resolve Mini Panelを使ってグレーディングしました。ほぼすべてのツールがパネル上のコントロールに配置されているので、監督の指示ですぐに様々な調整が可能です。精密に設計されたコントロールのおかげで、すべてのクリエイティビティを作品に注ぎ込むことができました。」

関連情報リンク

DaVinci Resolve 14 – コントロール

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