BMD製品導入事例:Finish Post、全国放送のテレビCMにDaVinci Resolve Studioを使用

Blackmagic Designは20日、同社の製品導入事例としてボストンに拠点を置くポスプロ会社Finish Postのカラリスト、ロブ・ベセット(Rob Bessette)氏が、米国の保険会社、Progressiveの最新CM、「My Year of Me」のカラーグレーディングに、DaVinci Resolve StudioおよびDaVinci Resolve Advanced Panelを使用したことを発表した。このスポット CM では、「Progressive ボックス」というキャラクターが世界中を旅した思い出を語っている。

発表によるとベセット氏とFinish Postチームは、同プロジェクトでDaVinci Resolve Studioのスピードと一貫性に頼ったという。ベセット氏は、まずプレートの作業を行って CM のルックを構築し、キャラクターのアニメーションとビジュアルエフェクトが完成した時点で最終的なグレーディングを行うという二段階のプロセスを踏んだという。


ベセット氏:「シーンごとのルックを作成している際、DaVinci Resolve Studio の分割スクリーン機能を使って、複数のバージョンを横に並べてクライアントに見せることができたのは本当に便利でしたね。」

ベセット氏は以下のように説明している。


ベセット氏:「シーンごとのルックは、キャラとシーンの相互作用にとって非常に重要なので、クライアントと明確かつ効率的にコミュニケーションを取ることが非常に大事だったんです。DaVinci Resolve Studio ではこのワークフローが効率化されているため、カラースイートのクリエイティブな方向性の決定から VFX およびキャラクターアニメーションの作成まで、すべてのステップがスムーズに運びました。」

ベセット氏によると、CMで描かれた様々な冒険では、温かみのあるキャンドルに照らされたような結婚式、どんよりとくすんだ単調な雰囲気の空港の税関など、それぞれのシーンで異なるルックが求められたという。またベセット氏はDaVinci Resolve Studioを使って各シーンのルックを処理している。


ベセット氏:「ボックスのキャラクターが、熱々の石の上を歩くかどうか悩んでいるシーンでは、シャドウ部分のディテールを残しつつ、リッチな雰囲気を得られるようにミッドトーンとブラックの関係を調整する必要がありました。また、同時に周りの様子が分かる程度の明るさも必要だったんです。このシーンで効果的なルックを作成するには、これらの要素のバランスが鍵となりました。さらに、DaVinci Resolve Studio のルミナンスキーを使用して、石に光と熱を加え、サチュレーションを追加することで熱々に燃えているようにしました。」


ベセット氏:「ハングライダーで飛んでいるシーンでは、ショットごとの一貫性に気を使いました。」


ベセット氏:「このシーンはよく晴れた日に撮影したのですが、いくつか暗い雲があったので少し不吉な雰囲気になってしまいました。これを修正するために、柔らかめのぼかし効果を設定したPowerWindowで暗い雲を囲い、明るくしました。また、DaVinci Resolve StudioのHSLクオリファイアーを使用して、海の色を魅力的なトロピカル・ブルーに修正しました。」


ベセット氏:「CMの後半に、ボックスのキャラクターが原付に乗ってストリートを走るシーンがあります。ミッドトーンとハイライトですべてのエレメントに温かみを持たせることで、小石が敷き詰められた街の風景を際立たせ、直前のシーンと比較して、温かみのあるコントラストを強調しました。また、DaVinci Resolve StudioのグローOFXプラグインを使用して、最も明るいエリアに柔らかい光(グロー)を足し、太陽がさんさんと降り注ぐ雰囲気を強調しました。原付ドライバーの顔は光が当たったり影になったりしていたのですが、DaVinci Resolve Studioでドライバーの顔の周りにPower Windowを作成してトラッキングし、影になる時にキーフレームを使って露出の一貫性を保ちました。」

これらのショットでは、DaVinci Resolve Studio のキーヤーとトラッカーを非常に重宝したとベセット氏は語る。


ベセット氏:「CMを通じて一貫性を保つために色を分離する必要がありました。一貫性のある正確な色を選択できることで、すべてのプロセスがスムーズに運びましたね。」


ベセット氏:「DaVinci Resolve Advanced Panelを使用したことで、精密かつスピーディな作業が可能になりました。ボタンを押すだけで必要な機能を呼び出せるので、非常に効率的に作業できました。」

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