初期費用ゼロで日本全国だれでも自分の映画館をつくれるサービス「popcorn」4月22日スタート

だれでも自分の映画館をつくることができるサービスpopcorn(ポップコーン)が4月22日よりリリースすることを発表。
また、リリースを記念して、全国複数ヵ所に一斉におこなう「オープニング上映」が同日開催される。

日本全国だれでも自分の映画館をつくることができるというサービスpopcorn(ポップコーン)
申し込みからチケット販売、映画上映まで、インターネットを通して行うことができ、上映環境さえ整えば、全国各地のカフェ、バー、書店、会社のオフィス、映画のロケ地など、場所さえあればどこでも映画館になるというサービス、popcornが4月22日よりリリースされる。

上映したい側は、パソコン、プロジェクター、スクリーン、音響設備、遮光などの基本的な設備に加え、ストリーミングのための安定したインターネット環境のみでおこなうことができる。

これまでのDVDなどを使った自主上映と何が違うのか

これまで公の場で上映会を開催しようとすると、権利許諾関係を明確に把握し権利をクリアしなければならず、その後も上映費用が高額になりがちという問題点があった。

通常上映には、1回の上映あたり数万円から数十万円の費用がかかる。
上映費用が10万円の場合、入場料を1,800円に設定しても60名近い集客ができないと赤字となり、個人での上映会はとても難しいものとなる。

そこでpopcornでは、初期費用ゼロ、入場者数に応じて上映料が発生する形で、popcorn側に登録・権利処理されている作品を、インターネットを通じてストリーミング上映することで上映プログラマー側の赤字リスクを減らし、上映会開催の敷居を低くしているという。

例)一人当たり 手数料900円(上映権利料+popcorn手数料+決済代行手数料(チケット代の5%))の作品を上映し、チケット料金を1,500円と設定、来場者数が30人だった場合、
上映プログラマーには(1,500円 – 900円)×30人=18,000円が後日支払われるというしくみ。

また、コンテンツの権利元(製作者)も作品データをpopcornに預けるだけで、その後の自主上映会ごとの問合せに対応、管理や作品のディスク発送などの手間なく上映機会を生むことができるという。
上映会参加はwebでの事前決済を前提としているため、観客数がリアルタイムでオープンになり、非劇場上映でも映画館のように動員数を計ることができる。

上映作品として、事前に「来場者1人当たりの上映権利料」を設定し、上映終了後、上映権利料×来場者数の合計金額が支払われる。
この上映権利料は自由に設定することができ、直近の動員数を見ながら調整することも可能だという。

上映に関して、サービス注意点

基本的にpopcornでは、全国の劇場でのロードショーが終わった作品を、非劇場上映として上映しており、現在のところ実際にストリーミングで上映できる登録作品数は30本程度となっている。

また、上映に関しては月間最大上映回数が定められており、1箇所につき4回まで。それ以上の上映を行なう場合は、「興行場」として許可を各自治体等で取得する必要がある。

屋外での上映については、サービスの仕組み上、場所の管理者に登録できる場所、有線が引けるようなインターネット環境が安定している場所、チケット購入者のみが鑑賞できる場所でのみ上映が可能となる。

MotionGalleryで資金調達しpopcornで上映というスタイルができた

popcornの共同代表、大高健志は、2011年にクラウドファンディングサイト「MotionGallery」を立ち上げており、すでに映画に関するクラウドファンディングだけでも600件以上の案件を扱っている。
だが、これらのプロジェクトが資金調達に成功し作品が完成しても、その作品が十分に観客に届くとは限らないという大きな課題がある。

その問題へ、このpopcornのリリースによって、資金調達のフェーズだけでなく、作品を観る人を増やすという形でのサポートも可能になったという。
MotionGalleryで資金調達を行い、制作された映画をはじめ、さまざまな良質な作品がpopcornで上映されていくというスタイルの土台ができたといえそうだ。

4月22日、全国同時オープニング上映開催

サービスのリリースを記念して、全国4月22日に合わせ、全国数ヵ所同時オープニング上映会を実施する予定だ。

概要
イベント名:popcornオープニング
上映開催日時:4月22日(土)18時30分~
開催場所:カフエマメヒコ宇田川町店店、他、全国数ヵ所で同時開催上映
作品:『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』
上映前にpopcornナカムラよりサービスを発表。上映後はカフエマメヒコ井川氏とpopcorn大高、そしてオープニング上映に参加した全国の会場の観客を交えてのトークイベントを開催。

(プレスリリースより引用)
〇『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』(配給:アップリンク、パルコ)概要
2013年10月1日、謎のストリートアーティスト・バンクシーが、ニューヨークで告知もなく展示をスタート。「都市や屋外や公共の場所こそ、アートが存在するべき場所なんだ。アートは市民とともにあるべきだ」と語る彼が、ニューヨークをハックした1か月を追ったドキュメンタリーです。

〇本作をオープニング上映作品に選んだ理由
『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』で描かれる、「ニューヨークという街が、アートによってポップアップに変わっていく、驚きとメッセージに満ちた空間に変えたその記録」は、これからpopcornが巻き起こす、みんなで起こす新しい体験や驚きを予感させるものだと思います。アートや映画で街を彩っていく、そんなpopcornにしていきたいという想いを込めて、記念すべきオープニング上映での作品に選定いたしました。(popcorn共同代表・大高健志)

ポップコーンシアター共同創業者、大高健志氏(写真右)とナカムラケンタ氏(左)

主催者メッセージ

(プレスリリースより引用)
映画館が生まれて100年以上経ちました。その間にテクノロジーが発達して上映環境は進化しました。けれども決められた時間に訪れてチケットを購入し、知らない人たちと肩を並べて見たあとはそれぞれ帰る、という体験が大きく変化することはありませんでした。一方、インターネット配信などで、映画を見る方法は多様になりました。ただ、それはあくまでプライベートで鑑賞する選択肢が増えただけです。テクノロジーの進化で、もっと“みんな”で楽しむ新しい鑑賞体験が生まれてもいいのではと思っています。popcornの上映会では次のような感想がありました。
「家で観るのでも、映画館で観るのでもない経験でした。家なら自分しかいない。映画館だとほかの観客の存在を消すように意識する。けれどもpopcornの上映会ならほかの人の存在が気にならないし、一緒に観るもの。人の存在が感じられる温かい場だと思う」

popcornでは、マイクロシアターの数だけ、多様な映画体験が生まれることを願っています。映画を見た者同士、上映後に話し合う。満月の夜にビルの屋上で映画を見る。プールサイドで上映する。バーのオーナーが月に1回お酒を飲みながら鑑賞できる上映会を開催する。いろいろな鑑賞体験を発明することができると思います。ぜひ自分のマイクロシアターを発明してください。見つけてください。

関連情報リンク

popocorn公式ページ 
プレスリリース

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