『バンビ』の旧技術と新技術のコラボ『ジャングル・ブック』オープニング映像制作秘話

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スタッフ突撃レポート:『バンビ』の旧技術と新技術のコラボレーション!?『ジャングル・ブック』オープニング映像制作秘話が解禁

2016年12月12日 | 出典:海外ドラマNAVI

『アイアンマン』や『アベンジャーズ』シリーズのヒットメーカー、ジョン・ファヴロー監督が、視覚効果監修ロバート・レガートと、プロデューサーのブリガム・テイラーを交えて話すオープニング映像の制作裏話が非常に興味深い。実はあの映像は『ジャングル・ブック』オリジナルのもので、アナログの技術を用いて作られたものだと言う。レガートによると、今回取り入れたのは、ウォルト・ディズニー製作のエポックメイキングなアニメ映画『バンビ』で使われたマルチプレーン・カメラの技術。オリジナル版のアニメ映画『ジャングル・ブック』といえばウォルトの遺作だが、セルアニメ制作時に使われるマルチプレーン・カメラを使用したことからも、ウォルトへのリスペクトの念がうかがえる。

2016年公開のディズニー映画『ジャングル・ブック』のオープニング映像には、過去に技術ともいえるディズニー式マルチプレーン・カメラ技術が使用されています。

2016年版『ジャングル・ブック』は、少年モーグリ以外は全てリアルなCGで表現するという、まさに最先端の映像技術を使って制作された映画と言えますが、なぜいま、そしてこの写実的なCGの世界にセルアニメ時代の旧技術を使用したのか…。

インタビューからはオリジナル版のアニメ映画『ジャングル・ブック』やウォルト・ディズニーへのリスペクトを感じ取ることが出来ます。

マルチプレーン・カメラとは

マルチプレーンカメラとは、セルアニメ制作のための特殊な撮影用カメラ(撮影装置)のこと。

複数枚のセル画をそれぞれカメラから異なった距離に配置し、それぞれを異なったスピードで動かすシステム。実際には立体ではない絵に、3次元的な奥行を表現する効果を生み出しています。

監督ジョン・ファヴローが過去のインタビューで「ジャングル・ブック」のオープニングについて語っています



<上記リンク先記事より一部引用>

“We wanted the beginning of the movie to be low-tech and feel of the moment in the history of Disney (of the 1967 original film),”

“Disney lets you change the logo, so we designed a logo that’s actually cel-painted, hand-painted.
(中略)
“So we go from a cel-painted castle, with hand-painted fireworks and flames on the torches. And we pull back into something that eventually becomes photo-real, a shot that’s similar to the shot in Bambi.”

<意訳>
「映画の冒頭をローテクノロジーなものにすることで、1967年のアニメ映画から本作までのディズニーにおける歴史の瞬間を感じて欲しかったんです」
「ディズニーからロゴを変更していいと言われたので、実際に手塗りでセルを塗ってロゴをデザインしました。手描きの花火とトーチの点いたセル画のお城から、引いていって最終的に写実的な世界に入っていく。このショットは『バンビ』のようなショットですね」

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