BMD製品導入事例:ニュージーランドのポストプロダクション Department of Post、HDR用にDaVinci Resolve StudioおよびMini Panelを導入

Blackmagic Designは同社の製品導入事例として、ニュージーランドのポストプロダクション・スタジオであるDepartment of Postが、DaVinci Resolve Studio、DaVinci Resolve Advanced Panel、DaVinci Resolve Mini PanelをオーストラリアおよびニュージーランドにおけるHDRポストプロダクションのワークフローの一部として使用していると発表した。

発表によるとDepartment of Postは、オーストラリアおよびニュージーランド有数のポストプロダクション・スタジオで、総合的なポストプロダクションのサービスを提供しており、これには、ニュージーランド国内だけでなく世界各地の映画やテレビ制作におけるDIT、編集、オンライン、フィニッシング、カラーグレーディング、オーディオ、納品が含まれているという。最近では、同社はニュージーランド初となるHDR完全対応のポストプロダクションのワークフローに着手することに焦点を合わせており、今まで以上に幅広い制作を手掛けられるように、DaVinci Resolve Studioをその核として使用しているとのこと。

同社は、HDR形式について分かりやすく説明し、あらゆる予算や規模の制作においてHDRの使用を手の届くものとすることで、国際的な市場に向けて世界クラスのコンテンツをUHD HDRで制作することを積極的に推奨しているという。

同社には、DaVinci Resolve StudioおよびDaVinci Resolve Advanced Panelを組み込んだDCI完全対応のデジタルインターミディエイト・スタジオがあり、また4K HDRポストプロダクション用のテレビ向けグレーディング施設にはDaVinci Resolve StudioおよびDaVinci Resolve Mini Panelが採用されている。加えて、同社のニアセットDIT部門には5台のDaVinci Resolve Studioが取り入れられている。

Department of Postの運営部長ケイティ・ヒンセン(Katie Hinsen)氏は、同社のHDRワークフローを「配給業者に合わせて柔軟に対応できるワークフロー」だと説明している。


ヒンセン氏:「基本的に、弊社のデイリーとDIT部門が編集のためにフッテージの処理を行い、私たちがフルHDRでデイリーを表示し、それを撮影監督が参考に使用します。これは、クライアントから大変好評を得ています。HDRは比較的新しいフォーマットなので、多くの撮影監督が使用経験が少ないので、拡張されたダイナミックレンジやカラーのニュアンスを掴むのに役立っています。」

撮影が完了し、編集が終わると、DaVinci Resolve Studioでメディアをコンフォームし、HDR規格に合わせてグレーディングを行うという。


ヒンセン氏:「ResolveではHDR用にスケーリングしたスコープを搭載していて、さらにEOTF規定を満たすためのカラーマネジメントに対応しています。グレーディング後、マスタリングに必要なレベルの高解像度DSMファイルで書き出します。これはResolveから直接、納品用のマスタリングチームに送ることができます。その後、Resolveのコラボレーティブ・ワークフロー機能を使用して、タイムラインをアシスタント・カラリスト/フィニッシング担当者に送信し、SDR 向けのトリムパスを行います。DaVinci Resolveのカラーマネジメントは極めて優れているので、他のシステムと比べて作業の複雑さを除外できます。これは、Resolveではカラースペースの切り替えをインテリジェントに行うことができるからです。」

同社では多数の国際的な映画、CM、テレビ番組に対してサービスを提供しているため、HDRの全規格(HDR10、Dolby Vision、HLG)での納品に対応できるHDRワークフローを構築する必要があったという。


ヒンセン氏:「Resolveのカラーマネジメントにより、これはシームレスに実行できました。この3つの根本的に異なるカラーサイエンスのワークフローを扱うポスプロでのフィニッシング過程から、煩雑さを取り除くことができました。」


ヒンセン氏:「弊社では、すべてのHDRプロジェクトにResolveを使用しています! Resolveのカラーマネジメントは非常に優れており、弊社の総合的なHDRワークフローに欠かせない役割を果たしています。また、Resolveはほとんどのフィニッシング作業にも使用されています。弊社では、予算や規模に関わらず、すべての制作において世界で最も優れたツールや技術を使用できるべきだと考えています。そういった理由からウェブシリーズ、CM、テレビ、劇場映画を通してResolveを使用しています。先日、拡張現実を交えた生放送にもResolveを使用しました。」

Department of Postのワークフローに最近加わった製品にはDaVinci Resolve Mini Panelがある。


ヒンセン氏:「Resolveのパネルは大小、両サイズとも、誰もが大変気に入って使っています。Mini Panelはハイエンドのテレビのグレーディングを飛躍的に向上させました。また、DITのデイリーのカラリスト用にMicro Panelを数台、導入しようと検討しているところです」

現在、国際的な制作ではHDRでのフィニッシングが標準的に行われていることを受け、Department of Postは地元の制作においてHDRへの初めての一歩を踏み出すアシストを行なっており、ニュージーランドの撮影監督やポストプロダクション業界のフリーランサーに対してHDRワークフローのトレーニングを行なっているという。


ヒンセン氏:「ニュージーランドでの制作が常に世界クラスの基準を保つサポートをしており、地元の制作に携わる人々にHDR素材を扱えるツールや、その扱い方を教えています。そうすることで、可能な限りベストな作品を生み出すことに貢献していると考えています。クリエイティブな分野に関わる地元のコミュニティが、オーストラリアやニュージーランドならではの物語を世界に伝えるために最高のスキルを身につけてもらうことが弊社の目標です」

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