経産省、映像酔いを軽減するための国際標準技術仕様の開発を発表

かんたんに言うと
  • 経済産業省が映像酔いを軽減するための技術仕様を国際標準化機構(ISO)に提案
  • 映像を安心して快適に視聴するための国際標準化で、提案が承認され開発が開始したと発表
  • VRなど国内の映像産業分野における最近の新たな技術展開とその利用促進への貢献が期待される

経済産業省(以下、経産省)は18日、国際標準化機構(ISO)において、日本から国際標準化を提案した「映像酔いを軽減するための人間工学的要求事項」について、国際標準の開発が開始されたことを発表しました。

発表によるとこの提案は、映像酔いの発生を軽減するための映像の技術仕様を定める国際標準を開発するもので、VRなど、映像産業分野における最近の新たな技術展開とその利用促進への貢献が期待されるとのことです。

画像:経済産業省ニュースリリースより引用

提案目的と背景

映像技術の発展により、家庭や公共空間においてインパクトや存在感のある映像情報に自然と接する機会が増えている一方、映像やその視聴環境などによっては、時に乗り物酔いと同様の症状の「映像酔い」が起きる場合があることが問題となっています。

そした問題を受け、経産省の委託を受けた国立研究開発法人産業技術総合研究所及び一般社団法人電子情報技術産業協会が中心となり、「電子映像を観視中の映像酔いの好ましくない生体影響を軽減するための人間工学的要求事項」についての検討・開発を行い、国際標準化機構(ISO)に策定を提案。平成29年5月に新業務項目提案として承認されたとのこと。

長くなりましたが、今回、日本から提案している指針案の主なポイントは以下のとおりです。


1.映像酔いの起こりやすさの定式化と基準の設定
映像の解像度や映像シーンの動き量といった映像内容や、周囲の明るさといった視聴環境等、様々な要因を考慮して映像酔いの起こりやすさを定式化し、映像酔いを抑えるための基準値を設定する。

2.映像酔いの発生要因を構成する映像シーンの動き量評価手法の明示
映像酔いの主要な要因となる映像シーンの動きの量を評価する具体的な方法を明示する。

今後

今後、日本提案を元にした国際規格が発行されれば、映像酔いの発生を抑えたコンテンツの制作、供給が容易となり、これにより一層、安心して快適に映像を利用できることが期待されます。
また、日本国内の映像産業分野における最近の新たな技術展開への支援、発展につながると経産省も効果を期待しています。

関連情報リンク

経済産業省 – 「映像酔いを軽減するための国際標準の検討が開始されました~映像を安心して快適に視聴するための標準化~」

関連記事