BMD製品導入事例:井村宣昭氏、Micro Cinama Cameraをミュージックビデオの撮影に活用

ブラックマジックデザインは7月20日、株式会社I-7の代表であり、数々のトップアーティストのミュージックビデオを数多く手がける撮影監督の井村宣昭氏が、スピッツ、FoʼxTails、およびSiM/Crossfaithのミュージックビデオの撮影にBlackmagic Micro Cinema Cameraを使用したことを発表した。

発表によると、株式会社I-7は、カメラマンとカラリストを抱える少数精鋭のプロフェッショナル集団。井村氏は同社立ち上げ以前から、撮影監督としてAKB 48、安室奈美恵、ONE OK ROCKなど数多くのアーティストのミュージックビデオや、CM、コンサート映像の撮影を手がけてきたとのこと。

画像:撮影監督 井村宣昭氏

以下、ブラックマジックデザインの発表を引用


井村氏:「カメラマンは独立してしまうと技術共有がなくなってしまう。もともとマルチカメラの撮影の仕事が多く、一緒に仕事するカメラマンと一緒に成長できれば、と思って立ち上げたのがこの会社です」

その井村氏が撮影したミュージックビデオに、Blackmagic Micro Cinemaが活躍している。
そのひとつは人気バンド、スピッツの「みなと」で、モノクロ映像にアニメーションと実写を組み合わせた作品で、実写部分はすべてMicro Cinema Cameraで撮影された。

画像:スピッツ「みなと」/UNIVERSAL MUSIC JAPAN


井村氏:「この作品は監督から古い映画のようにしたいとリクエストがありました。Production Camera 4Kは以前から使っているので、Blackmagic特有の質感は、フィルムっぽさを出すのに適しているというのが選定の理由のひとつです。35mmセンサーのカメラを使わなかったのは、紙芝居のような感じを出したいということだったので、被写界深度が深めで16mmのフィルムらしさを出すためにMicro Cinema Cameraを使いました。」

「スピッツのメンバーも撮影された素材を見てよろこんでいました。綺麗すぎたので、演出的に古い絵本のような感じにしたかったので、後処理でわざと荒くしたくらいです。」

もうひとつは、Red Bull Air Race 2016のテーマ曲にも選ばれたSiMとCrossfaithのコラボ曲「GET iT OUT」でスピード感がありエネルギッシュな楽曲となっている。
その楽曲の魅力を十分に伝えられるよう、ミュージックビデオは飛行場で演奏するバンドをカメラカーやクレーン、飛行機などから撮影しており、Blackmagic Production Camera 4KとMicro Cinema Cameraをはじめ、数多くのカメラが使用された。
Production Camera 4Kはカメラカーの後方部、Micro Cinema Cameはエアレース用の飛行機の翼部分に搭載して撮影された。

画像:SiM vs Crossfaith “GET iT OUT”/Double Wing Records


井村氏:「Micro Cinema Cameraは空撮でコンパクトに使えるカメラで質感もいいですね。メインで使っているシネマ系カメラとのマッチングもしやすかったです。他の小型カメラだと、グレーディングをしても、なかなかここまでのトーンに持っていけないんです。」

ロックバンドFoʼxTailsの「The Liberty」でも同様に、激しいサウンドをいかして、マルチカメラでスピード感のある撮影が行われた。
同作品では、Micro Cinema Cameraを自社製の特機に搭載して、そのカメラを回転させるという非常にユニークな使い方をしている。こうすることで、映像が回転するような効果が出せるのだ。

画像:Fo’xTails「The LiBERTY」/Lantis


井村氏:「この特機に載せられるのはかなり小型なものに限定されます。そのおかげで特機を手持ちして、回転させるといったような大胆な使い方ができるんです。そのうえ、レンズ交換ができて、ダイナミックレンジも広い画が撮れるというのはメリットですね。」

これらの作品はすべて、I-7のDaVinci Resolve Studioでグレーディングされた。


井村氏:「弊社ではオフラインの状態からグレーディングされている状態にしたいので、すべての素材をグレーディングしています。オフライン編集が上がってきて、まだ時間に余裕があれば、そのあとさらにグレーディングの調整をしますね。」

「規模の大きなコンサート映像などでは、カメラが30台以上になることもあって、さらにカメラの種類がバラバラなのでそのマッチングをResolveですべて行っています。スピードも速いのでイメージするルックにすばやく近づけられる。グレーディングするには一番トーンを作りやすいツールだと思います。」

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製品情報:Blackmagic Micro Cinema Camera


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