2016年の映画参加者は男性20代の割合が拡大 「仲間内での話題」「異なる世界」「新しい知識」を映画鑑賞にもとめる傾向が高まる

かんたんに言うと
  • GEM Partners株式会社は、映画鑑賞者に関する基礎情報を網羅した「GEM映画白書2017」を発行
  • それによると、2016年は邦画アニメの鑑賞率が高まり、映画参加者における男性20代の割合も拡大しているという
  • 他にも男性20代は高付加価値の上映サービスの利用意向が高い層であることなども分析されている

映画・映像エンタテイメントに特化したマーケティングデータ分析・レポート提供を行っているGEM Partners株式会社は、映画鑑賞者に関する基礎情報を網羅した「GEM映画白書2017」を発行。
同社は調査結果の中から注目の結果を発表した

以下、プレスリリースを元にまとめてみた。

2016年は “日本映画(アニメ)”の鑑賞率が高まり、映画参加者における男性20代の割合が拡大するも、全体における映画参加率は前年から微増

2016年の映画参加率(年間1本以上劇場で観た人の割合)は前年に比べ微増。
2016年は『君の名は。』が大ヒットしたが、映画参加率という視点で見ると2015年からの変化はそれほど大きくなかったことがうかがえる。

◆コンテンツタイプ(作品ジャンル)
まず、作品ジャンル別に鑑賞割合をみると、やはり日本映画(アニメ)の鑑賞割合が前年に比べ大きく伸びており、『君の名は。』の影響があったことがうかがえるという。
一方で、『ジュラシック・ワールド』など大作が多かった2015年の外国映画(実写)と比較すると、2016年では鑑賞割合が減少している。
また、『シン・ゴジラ』も大ヒットを記録したが、2016年の日本映画(実写)全体への鑑賞割合では2015年から微減となっている。

◆性年代構成比
映画参加者の性年代構成比をみると、男性の割合が高まっており、なかでも男性20代の割合が高まっている。
その一方で、性年代構成比における女性20代の占める割合は最も大きいが、2015年と同程度となっており、そのため、『君の名は。』の映画参加者人口の拡大という視点では、特に男性20代に効果があったと推察される。

男性20代は“仲間内で話題”にでき、“異なる世界を体験し、新しい知識が得られること”をもとめる傾向が強まる。また、高付加価値の上映サービスの利用意向が高い。

◆映画に求めるもの
映画参加者が拡大した男性20代が“映画館での映画”に何をもとめているのかを分析すると、「気分転換」が最も高いものの2015年から減少し、逆に、「友人・知人との共通の話題作り」「異なる世界・人生の体験」「好奇心、知識・教養の向上」が2016年に高まっている。
また、これらの要素は全体と比べても高い値となっており、そのため男性20代にとって、“仲間内で話題”にでき、“異なる世界を体験し、人生や新しい知識が得られること”を映画館での映画にもとめる傾向が強まっていることが同社のリサーチからうかがえるという。

◆上映方式
映画館ならではの体験として、特殊な上映方式の利用経験と今後の利用意向を見ると、男性20代はどの方式も2015年に比べて値が高まっている。
下の図をみると、他年代の値は表示していないが、すべての方式で値が高く、また2015年に比べて高まっていることが男性20代の特徴となっており、そのため、男性20代は高付加価値の上映サービスの利用意向が高いセグメントであることがうかがえるという。

GEM映画白書2017版

以上のリサーチは、GEM Partners株式会社がこのほど発行した「GEM映画白書2017版」に映画鑑賞者に関する様々なデータとして盛りこまれており、今回の2016年鑑賞者データのほかに、2014年、2015年のデータもセットされているため、同じ軸で比較することも可能となっている。
また、分析目的に応じ、ブラウザを用いて好きな軸で様々な視点を切り替えながら分析することが可能とのこと。

上記の結果を含む「GEM映画白書2017」に関する詳しい説明は下記のページでご覧ください。
https://gem-standard.com/p/report/goo011300604

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