アニメーション制作が下請法の適用対象例に追加されました

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アニメーション制作が下請法の適用対象例に追加されました

2016年12月19日 | 出典:日本アニメーター・演出協会

 下請法(下請代金支払遅延等防止法)とは、下請取引を公正なものとし、 下請事業者の利益を保護することを目的とした法律です。具体的には、 取引条件などに関する書面提供や対価の支払期日の明示などを義務づけ、 不当な受領拒否や支払いの遅延、代金の減額や報復措置など、 いわゆる下請けいじめを禁じることが定められています。違反した場合には、 公正取引委員会による調査を経て、公表をともなう勧告措置などの法的制裁があります。

 下請法は多くの場合、アニメーション制作にも適用されます。しかし、 下請法の運用について定めた公的なガイドラインとして、 「下請法の対象となる取引例」や「違反行為事例」を定めた 「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」にはこれまで、 アニメーション制作に関する記載がありませんでした。

 下請法はアニメーション制作に関わる仕事の全てに適用されるものではありませんが、 アニメーション制作に従事する個人のみならず、 アニメーション制作を業とする法人(いわゆるスタジオ、制作会社など)にとっても、 下請法の適正な運用は、未だ不公正な取引の多い現状を改善するための第一歩となりえます。

中小事業者の取引条件の改善を図る目的から、公正取引委員会による「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」が改正されました。

そのなかにアニメーション制作も事例として追加。

今後、アニメーション制作業界の環境改善が図られるとともに、さらなる発展を期待するばかりです

アニメーションの制作については,テレビ局や製作委員会等の発注者から,元請制作事業者, 下請制作事業者へと再委託が行われる重層構造にあり,再委託を受ける事業者は小規模事業者が多く, 元請事業者から不当なしわ寄せを受けやすいと考えられます。このため,御意見を踏まえ, アニメーションの制作に関する情報成果物作成委託の取引例として,「第2法の対象となる取引」において次の事例を追加しました。
(中略)
また,アニメーション制作の取引において下請法違反行為が見受けられた場合には,迅速かつ効果的に対処してまいります。
下請法の対象とならない取引であっても,独占禁止法上の優越的地位の濫用に当たる行為に対しては,厳正かつ効果的に対処してまいります。
低賃金や長時間労働の背景に親事業者による下請法違反行為がみられる場合には,迅速かつ効果的に対処してまいります。

引用:公正取引委員会 (平成28年12月14日)「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」の改正について
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/dec/161214_1.html

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