細田守と新海誠—未来を担う2人のアニメ監督(パート2)

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細田守と新海誠—未来を担う2人のアニメ監督(パート2)

2016年11月11日 | 出典:nippon.com

1人でつくる」から出発、"新種”のアニメ作家へ
細田守監督がスタジオ出身者で「集団作業の結晶たるアニメーション映画」の担い手であるのに対し、新海誠監督は真逆に当たる「個人作業」から出発した作家だ。内容的にも大衆向けの「娯楽映画」というアプローチではなく、個から発する「作家性」を最大限に打ち出したことで注目を集めた。
新海はゲームソフトの開発・販売を行う日本ファルコムの社員としてゲーム用のオープニングムービーなどを担当していた頃から短編アニメの自主制作を開始し、2000年には4分4秒の短編『彼女と彼女の猫』が第12回CGアニメコンテストでグランプリ受賞となる。02年には30分の短編『ほしのこえ』を発表、小規模の劇場公開とDVDリリースで商業作品デビューをした。本作は監督・脚本のみならず、作画、美術、3DCG、撮影、編集、声の出演と大半を「1人でつくる」という快挙が大きな話題を呼び、大ヒットしてアニメ雑誌の表紙を飾るに至った。21世紀初頭という新世紀の始まりに、新海はまさに「新種のアニメ作家誕生」という新時代を切り開いたのである。

この記事の前篇にあたる パート1はこちら

細田守と新海誠—未来を担う2人のアニメ監督(パート1)

2016年11月1日 | nippon.com

スタジオジブリ時代の終焉
2013年の映画『風立ちぬ』公開後に宮崎駿監督が長編映画制作から引退を表明し、翌14年にはスタジオジブリが『思い出のマーニー』(米林宏昌監督)を最後に制作部門の解散を宣言した。1997年の映画『もののけ姫』が興行収入193億円と日本記録を塗り替えて以後、宮崎監督作品では100億円超えが続き、ジブリ映画に映画界全体の収益が左右されるようになる。その時代がついに幕を閉じたわけだ。
世界ではディズニーとピクサーを旗手に、商業アニメーション映画の主流が3DCGへと移行して10年を超えた。日本はスタジオジブリが58年の東映長編漫画映画『白蛇伝』から連綿と連なる手描き(2D)の伝統的作法をベースにしていることもあり、3Dを補助手段とするハイブリッド制作がメインである。ジブリ制作部門の解散は、日本独自のアニメの終焉(しゅうえん)の始まりになるのだろうか?
日本アニメの今後を考えるに当たり、2年続けてアニメ映画で大ヒットを実現した細田守、新海誠両監督の特徴を考察することには意味があるだろう。


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